不正競争防止法第2条第1項で規定されている「不正競争」の中で、
他人の商号や商標、商品の形状などを真似る行為。いわゆる偽ブランド等を規制する条項について概略を説明します
@周知表示に対する混同惹起(じゃっき)行為(不正競争防止法第2条第1項第1号)
A著名表示冒用行為(同第2号)
B商品形態模倣行為(同第3号)
※これらの違法行為には、民事上の損害賠償に加え刑事罰もあります
Cドメイン名の不正取得・保有・使用(同第12号)
@混同惹起(じゃっき)行為とは
他人の「商品等表示」として顧客に広く知られているものと同一または類似
の表示を使用して、
他人の商品または営業と「混同」を生じさせる行為のことです。
「商品等表示」とは、具体的には、人の業務に係わる氏名、商号、
商標(ロゴマークを含む)、商品の容器または包装等を指します。
「混同」とは、ある事業者の商品または営業を他の事業者の商品または営業と混同することまたは混同するおそれがあることを言います。
A著名表示冒用行為とは
著名なブランド表示を利用することに関する規制です
@混同惹起のような混同を生じさせないような場合でも対象となります
B商品形態模倣行為とは
商品の形態を模倣する行為(日本国内において最初に販売された日から起算
して3年以内のもの)が対象となります
Cドメイン名の不正取得・保有・使用
図利加害目的で、他人の商品・役務の表示(特定商品等表示)と同一・類似のドメインを使用する権利を取得・保有または
そのドメイン名を使用する行為は禁止されています。
※なおドメインとは、インターネットにおいて、個々のコンピュータを識別する為に割り当てられている番号、記号、
文字の組み合わせ(IPアドレス)に対応する文字、番号、記号その他の附合又はこれらの組み合わせのことを言います(同第2条第9項)
なお、これらの規制は、知的財産権(著作権、商標権、意匠権、特許権など)
の対象となるものについては、
それぞれの法律により保護されています。
しかし、知的財産権の対象になっていない場合にも上記のように「不正競争防止法」の対象となることがあります。
従来、中小企業がローカルで事業を行っている限り、他人の商号や商標、商品
の形状などを真似る行為をしても、商圏が異なれば
さほど大きな問題にはなり得なかったかも知れません。
しかし、現在では、多くの事業者がホームぺージを開設し、インターネットを
通じ広範囲に情報を発信する時代となりましたので、
例えば店舗名等では、誰でも「不正競争防止法」の対象となるリスクがあるので注意が必要です。