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会社設立、独立、起業、開業と新会社経営
第38号
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東日本大震災により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
こんにちは。行政書士の井藤です。
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当マガジンでは、
●「将来の独立、開業、起業を考えている方」
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●その他、「起業と経営に興味のお持ちの方」を対象に、
起業や会社設立、会社経営に役立つ、実践的情報を発信して行く
ことを目標としています。
今回は、『起業・開業時の借入について』です。
◇第38号のメニューはこちらです
(1)「起業・開業時の借入について」
(2)井藤行政書士事務所のPR
(3)編集後記
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(1)「起業・開業時の借入について」
■ 起業・開業時の借入先は、「こくきん」か「制度融資」
起業・開業時または、起業・開業後まだ日の浅い方が、事業資金を
外部から借り入れる場合の先としては、「日本政策金融公庫」か、
「信用保証協会」を利用するのが一般的です。
■「日本政策金融公庫」とは、国営の金融機関です
日本政策金融公庫は株式会社ですが、株式の100%を国が保有する
国の政策に沿った金融機関です。
「日本政策金融公庫」は、平成20年10月に、「国民生活金融公庫」
「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」「国際協力銀行」が
統合されたもので、「政策公庫」と略して言われますが、創業融資
については、旧国民生活金融公庫の略称「こくきん」の方が、世間
では、今もなじみがある呼び名となっています。
政策公庫(こくきん)の「創業融資」と言えば、「新創業融資」が
最も有名です。「新創業融資」は、事業開始時または事業開始後に
必要な事業資金1,000万円まで(但し自己資金の2倍までの制限あり)
無担保、第三者の保証無しの融資です。
■「信用保証協会」とは、都道府県等の保証機関です
信用保証協会とは、都道府県等ごとに設立された保証機関で、金融
機関が中小企業などに行う融資に保証を行う公的機関です。
「制度融資」とは、都道府県等が政策により、一定の資金を金融機
関に預託し、これを融資の原資の一部とし、信用保証協会が保証を
行い、金融機関が中小企業に対して融資を行うものです。
「制度融資」の一部として、「創業融資」制度があります。
「創業融資」制度の内容は、都道府県等ごと(信用保証協会ごと)
に異なりますが、無担保、第三者の保証無し、1,000万円〜2,500万
円程度まで(但し自己資金の額による制限がある場合もある)の融
資です。
■ 審査のポイントは3つ
融資の申込の際には、「こくきん」及び「信用保証協会」の様式に
よる「創業計画書」様式の提出が必要となります。
(様式は異なりますが記入すべき内容は、よく似ています)
融資の審査はこの「創業計画書」の内容を基礎として行われます。
各項目につき具体的説明を求められたり、根拠を聴かれたり、より
詳細な資料を求められたりすることになります。
融資の審査が通るかどうかの大きなポイントは以下の3点です。
【1】申込要件を満たしているか
【2】事業内容と資金計画の妥当性
【3】経営者本人の適性
■【1】申込要件を満たしているか
こくきんの「創業融資」、信用保証協会・制度融資の「創業融資」
の申込の要件を満たしている必要があります。
例えば、「事業経験」や「自己資金」の要件です。
「事業経験」については、仮にその事業の経験は無くとも、他の経
験を評価してもらえる場合がありますので、検討の余地があります。
一方、「自己資金」の要件については、そのお金が本当に返さなく
て良いお金かを厳密にチェックされますので、いわゆる「見せ金」
などをすると、それだけで審査は不合格となってしまいますので、
注意が必要です。
■【2】事業内容と資金計画の妥当性
政策公庫、信用保証協会ともに公の機関ですので、事業内容につい
ては、どのようなことで社会へ貢献するか、いかに意義のある事業
なにかと言った視点も忘れないことが大切です。
さらに、最も、大切なポイントは、資金計画の部分です。
資金計画とは、資金(自己資金+借入金)を何に使い、結果どのよ
うに利益を出して、どのように借入金の返済をして行くのか。を
根拠を持って示すもの。です。
当り前のことですが、借入金を返済する原資は、利益だけです。
いかに大きな利益を出すかではなく、いかに確実に返済原資分の利
益を出すことができるかが大切です。
■【3】経営者本人の適性
融資の申込要件を満たしており、事業内容は妥当であり、資金計画
も実現性が高い。に加え、最後に評価をされるのは、その計画を実
行する経営者本人の適性です。
経営者本人の適性とは、「能力」と「熱意」と「自信」が大切です。
「能力」とは、その事業に対する経験や技術と経営能力を言います。
いくら技術があっても経営能力がなければその技術をうまく活かすこ
とができません。経営能力とは、人、モノ、カネ、情報の経営資源を
如何に上手に活用して行けるかの能力と考えても良いでしょう。
「熱意」とは、経営者がどこまで本気で、事業を行おうとしているか、
不測の事態が発生しても果敢に立ち向かう闘志が大切です。
「自信」とは、自分を信じる力です。
融資とは、他人から信用を得て、お金を貸してもらうことですから、
自分が信用できないような人が、他人から信用を得ることは難しいこ
とです。
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当事務所では、会社設立手続きはもちろんのこと、それ以前の起業に
関する計画段階からの相談対応や会社設立後の各種手続きや会社運営
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(3)編集後記
今回は、起業相談で非常に多いテーマ『起業・開業時の借入について』
をテーマとしました。
起業において最も大切なことをひとつだけあげるとしたら、【3】経営
者本人の適性の最後に書きましたが、「自信」だと思います。
根拠のない楽天的な自信のことを言っているのではなく、自らの計画の
リスクも冷静に把握した上で、なお、自分自身に対する「自信」を持っ
ているかどうかと言った点がポイントだと思います。
最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活がさらに豊かなも
のとなりますことを祈っております。