起業、会社設立、事業計画書、契約書、社内規程、インターネット、法務、中小企業支援。愛知県、名古屋市、豊田市 井藤行政書士事務所

 事業計画の意味・無意味

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会社設立、独立、起業、開業と新会社経営
第21号(2009/05/15
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こんにちは。行政書士の井藤です。
いつもメールマガジンを購読頂きましてありがとうございます。
新年より、メールマガジンのタイトルを変更させて頂きました。
旧タイトルは「起業、開業、会社設立準備とビジネスモデル」でしたが、
新しく「会社設立、独立、起業、開業と新会社経営」になりました。
ビジネスモデルを中心に起業や起業後の会社経営のいろいろについて取り上げて行くことには変わりませんが、
より、有意義なコンテンツの配信に努めたいと思いますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

今回は、起業や融資申請の際に必要な「事業計画の意味・無意味」について考えてみたいと思います

◇第21号のメニューはこちらです
(1)事業計画の意味・無意味
(2)編集後記

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(1)事業計画の意味・無意味
■銀行員と中小企業の親父

ゴールデンウィーク。今年は、不況の影響もあって、10連休以上の大型連休の方も多かったようですが。
皆様の事業の状況はいかがでしょうか?
銀行員の皆さんは、ゴールディンウィーク後、忙しいそうです。
例年今の時期は忙しいでしょうが、今年はさらに特別のようです。
半年前頃の短期融資やセーフティネット融資の影響だそうです。
年度末を乗り越えることができた中小企業の借入金の返済の問題や、あらたな資金調達の問題が生じて来ているようです。

こんな苦しいときの借り入れの際には、事業計画が求められます。
銀行の立場は、「借りた金をどうやって返済されるのですか?」
返済の為の原資を捻出するための事業計画とそれを実行する経営者の資質を確認したい為です。
・ ・・・・・ 至極、もっとものように聞こえます。

しかしながら、中小企業の親父の立場は異なります。
「計画が立つなら苦労はしないよ。」
「計画が立たないから、困っているんだ。」
「だから、資金を貸して欲しいのだ。」
  ・・・・・ こちらの言い分も本音だと思います。

■提出が求められる中小企業の事業計画の無意味さ
切羽詰まった中小企業でなくとも、銀行との今後の良好な関係を築く為にも、事業計画の作成が求められるケースが増えています。
新規事業の融資申請の場合は、事業計画の提出は必須です。

しかしながら、先ほどの、中小企業の親父ではないですが、
「計画が立つなら苦労はしないよ」が、多くの 経営者の本音だと思います。

ある会社では、「2月3月と2ヶ月連続売上げ0、 計画に対する比率マイナス∞(無限大)」と、投げやりな進捗報告をされていましたが・・・。

いいかげんな計画など立てても、絵空事。絵に描いた餅。
体裁を繕うためのものでしかない。

あるいは、真面目な経営者や従業員は、
「 どうして、私は駄目なんだろう。」
「 計画や目標を達成することができない。」
自己管理能力の欠如にがっかり、自信喪失しています。

そもそも、中小零細企業に、大企業と同じような事業計画の作成と予算実績管理をやれと言われても、取るべき策が少なすぎます。
大企業であれば、資産の処分、人員削減、経費削減、取引先や外注先の選別等いろんな手があり得ますが、
中小零細企業では、事業を続けるか辞めるかの間のオプションがあまりありません。

全てもっともな言い分です。

だから、事業計画など無意味・・・・・かも知れません。


■それでも大切な中小企業の事業計画の意味
しかし・・・・、だからこそ、あえて言いますが、

事業計画が必要なのです。
それでも、事業計画には意味があります。

事業計画とは、結果ではありません。
結果数字だけの事業計画は、計画ではなく、予測です。
事業計画の意味は、結果の数字にあるのではなく、その数字を結果として導き出すためのプロセス、行動にあります。

先ほどの中小企業の親父の言葉の通りです。
事業計画が立てられれば、成功したも同然です。
なぜなら、予測数字を導き出すために何をやれば良いか分かれば、後は、それを実行すれば、予想通りの結果になることでしょう。
但し、実際はそんなに甘くありません。
予想は当たりません。
行動をしても思った通りの結果にはならないことの方が普通でしょう。だから、再度、計画を立てるのです。

カーナビは、間違った道に行っても、新しい道を教えてくれます。
どんなに遠回りしても必ず目的地を案内してくれます。
事業計画というのは、そんなカーナビみたいなものでしょうか?
最近のカーナビのように優秀ではないかも知れませんが。

カーナビは行く先が良く分からないとき使うものです。
事業計画も同じで、結果が分かっているのであれば、予測数字さえ明らかにすればそのプロセスを示す意味はないでしょう。
良く分からないから、とにかく事業計画を作り、試行錯誤しながら、進んでいくそんなものと考えたらどうでしょうか?
ある日突然、事業計画が完成したとき、そのときはゴール間近です。

従って、うまく行かないから事業計画を作るのであって、その通り行かないことに対して、
自己嫌悪に陥る必要もなければ、落胆する必要もありません。

大切なのは、もう一度、カーナビをセットすることです。


■最後は、事業計画の無意味さ

さらに、もっと言えば、
どうしても事業計画がうまくいかないとき・・・・は
事業計画の話は、ビジネスゲームの世界の話に過ぎません。
人生そのものではありませんので、気軽に考えましょう。

(2)編集後記
私は、元々、無計画な行動をするのが好きです。
毎日が予定通りにただただ消化されていく人生などつまらないと思います。

また、自分の目標に向かって邁進することより、他者から頼まれごとに速やかに対応し、喜ばれることの方が嬉しいことのような気もします。
しかしながら、複数の人といっしょに仕事をして行く為には、計画が必要です。
各人が無計画に動いていたら、いっしょに仕事をすることはできません。

しかし、計画は計画に過ぎません。
変更されるべきものであり、変更すべきものであります。
なぜなら、計画は、より大きな目標を達成するための手段であったはずだからです。

従って、その目標を目指す為に、もっと良い方法が見つかった場合は計画をさっさと変更することが大切です。

という私も、たいした事業計画を持っている訳ではありません。
本文中で紹介した中小企業の親父の言葉ではないですが、
事業計画ができれば苦労はしない。
どんな事業計画にすべきか試行錯誤しているところです。
できれば、こんな試行錯誤が楽しめると良いと思います。

最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活が豊かなものとなりますことを祈っております。

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発行元  行政書士井藤事務所  井藤真生
事務所e-mail    gyosei@fullstage.jp
事務所HP  http://www.itoh.fullstage.biz/
〒471-0063  愛知県豊田市京町3−111−1
※ご意見・ご感想等は gyosei@fullstage.jp  まで、お気軽にお寄せください。

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