起業、会社設立、事業計画書、契約書、社内規程、インターネット、法務、中小企業支援。愛知県、名古屋市、豊田市 井藤行政書士事務所

  創業時の資金調達、融資申し込みについて

-----------------------------------------------------------------
会社設立、独立、起業、開業と新会社経営
第18号(2009/03/16
-----------------------------------------------------------------
こんにちは。行政書士の井藤です。
いつもメールマガジンを購読頂きましてありがとうございます。
新年より、メールマガジンのタイトルを変更させて頂きました。
旧タイトルは「起業、開業、会社設立準備とビジネスモデル」でしたが、新しく「会社設立、独立、起業、開業と新会社経営」になりました。
ビジネスモデルを中心に起業や起業後の会社経営のいろいろについて取り上げて行くことには変わりませんが、
より、有意義なコンテンツの配信に努めたいと思いますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

今回は、最近問い合わせの多い、創業時の資金調達(融資申し込み)の仕方について、取り上げてみたいと思います。

◇第18号のメニューはこちらです
(1)創業時の資金調達、融資申し込みについて
(2)編集後記

-----------------------------------------------------------------

(1)創業時の資金調達、融資申し込みについて

■自前と日本政策金融公庫および地方自治体の制度融資

創業時の資金調達方法としては、自前で資金を用意するか、自らの縁故で資本金の出資や融資をしてもらう以外には、
日本政策金融公庫の新規融資制度か地方自治体による制度融資制度しかないと考えて良いでしょう。

■日本政策金融公庫の創業融資制度(こくきん)

日本政策金融公庫の創業融資制度は、新たに事業を始める方(開始して間もない方を含む)?に対する、国策による融資制度です。
新規開業資金(新企業育成貸付)、女性、若者/シニア起業家資金(新企業育成貸付)、再チャレンジ支援融資(再挑戦支援資金)、食品貸付?、生活衛生貸付?、新創業融資制度? の制度があります。
http://www.k.jfc.go.jp/yuushi/atarasiku/index.html

この中でも、新創業融資制度は、無担保で、1000万円以内の融資が、低利で借りられることで有名です。
(但し、借入資金の1/3の自己資金があることが条件です)

■地方自治体による制度融資

日本政策金融公庫の制度が国策であるのに対して、地方自治体による制度融資は、都道府県による政策と考えて良いでしょう。
具体的には、創業資金用融資資金について、あらかじめ、都道府県が銀行へ政策的に資金を投入しています。
事業者の創業資金融資申請に基づき、都道府県の信用保証協会が信用保証を行い、一般の金融機関から借入を行います。

日本政策金融公庫との違いは、借入を行う窓口はあくまで、一般の銀行であるが、
その信用保証や利息の補助を都道府県や信用保証協会が行っていることにあります。
地方自治体によって制度は異なりますが、一般的に借入金の1/2の自己資金があることが条件となります。

■日本政策金融公庫発行の「創業時のチェックポイント」

日本政策金融公庫のサイトでは、「創業時のチェックポイント」と言った項目があげられています。
https://www.k.jfc.go.jp/sinkikaigyou/checkj_c.html

これらの創業時のチェックポイントは、言い換えれば、
「創業時借り入れ申請の際にはこれらの内容をクリアの上で、 融資の申請して下さいね」と言う、
審査機関からのメッセージとして、受けとめるべきです。

この創業準備のチェックポイント10項目は以下の通りです
(以下日本政策金融公庫サイトからの引用です)

1.創業動機は明確ですか
どういう目的で、何をやりたいかをはっきりさせる必要があります。
動機があいまいでは、さまざまな困難を乗り切っていくことはできません。
また、創業しようとする事業内容が顧客のニーズや時代の流れに合っているかどうかも重要なポイントです。

2.創業する事業について経験や知識はありますか
創業しようとする事業は、まず経験のある業種や知識、興味のあるところおよびその周辺というのが妥当なところでしょう。
技術・技能・ノウハウなどの修得には経験が何よりも重要です。
また、受注先を確保できるかどうかは、勤務時代につちかった人脈、信用が大きく左右します。
未経験の分野での成功はなかなか難しいので、FC加盟など経験不足を補う方策が必要です。?

3.事業を継続していく自信はありますか
経営者は法律、経理、税務、労務など幅広い知識のほか、強い意志、努力、体力が不可欠です。
加えて、十分な金銭感覚も必要とします。

4.家族の理解はありますか
身近な家族の理解が得られないようでは、事業に対する意欲 が疑われても仕方がありません。
信頼できる協力者としての家族は、困難を乗り越えていくときの支えになってくれます。

5.創業場所は決まっていますか
業種によってはどこで創業するかが重要となります。
一般的に立地条件の良い場所は費用負担が重いので、採算が合うかどうかを慎重に検討します。
また、所有物件の活用や立地条件にマッチした商品やサービスの提供についても検討してみましょう。

6.必要な従業員は確保できますか
必要とする人材像を明確にし、早めにあたりをつけます。
優秀な人材を採用するには、何らかの魅力づくりが必要です。
事業が軌道に乗るまで、人件費は重い負担となります。
家族労働、人材派遣会社、パートタイマーなどの活用も検討してみましょう。

7.セールスポイントはありますか
商品、サービス、技術またはそれらの提供方法などに、顧客を引きつける何らかの特色を出せるか検討します。
同業他社にはない独自性や新規性が求められます。

8.売上高や利益などを予測してみましたか
売上(収入)は多めに、支出(費用)は少なめにといった甘い見通しになりがちなものです。
同業他社の実績など、裏付けのある数字に基づいて検討してみましょう。

9.自己資金は準備していますか
事業を早めに軌道に乗せるためには、借入金は少ないに越したことはありません。
借入金の返済負担は、事業の採算性や健全性をそこねることがあります。
創業を思いたったら、まず着実に自己資金を蓄えることから始める、という堅実な姿勢が大切です。?
また、創業資金の借入に際しては、保証人や担保などが必要な場合があります。
あらかじめ検討しておいたほうがよいでしょう。

10.事業計画書としてまとめてみましたか

自分の描く事業のイメージを具体的に文字や数字で確かめてみましょう。
事業計画書は借入の際の説明資料として必要ですが、自分のやりたいことやそれが実現可能なのかを明らかにします。

(これらの10ポイントをクリアできたら)

「創業に向けて具体的に準備をしてみましょう。」

※「創業に向けて具体的に準備をしてみましょう。」が、「これらがクリアできてから、借り入れ申請をしましょう」とのメッセージに聞こえます。

■融資審査のポイント

創業資金の借入を申し込む側からすれば、「私にいくら貸してもらえるでしょうか? それを教えて欲しい。
それによって事業を考える」とおっしゃる事業者の方も多いのですが、金融機関からしてみれば、考え方は逆です。
新規創業で、融資申請を行うためには、「上記のような10項目をクリアしており、結果、いくらの資金がいるかが明確となっており、その計画に関する説明を審査させて頂き貸付け可能額を査定させて頂く。」です。

そんなことを言っても、いくらでも貸してくれるわけでないのに」と、事業者の不満が聞こえそうですが、
審査する立場はあくまで、「申請内容に対する審査」であることも分かってあげて下さい。

とりわけ、
1)事業計画の数字 と 
2)その根拠に関する説明  さらに、
3)事業者本人に対する個人的評価    が、審査の重大なポイントになります。

(2)編集後記

当行政書士事務所では、新規創業資金借入に関する問い合わせを頂く機会が多くありますが、
概して以下の3つの誤解が多くあると思いますので、ご紹介します。

1つめの誤解は、「融資審査のポイント」で触れましたように、
事業者は「まず、いくら借りられるかを知りたい」に対して、現実は、事業計画が先にあって、それを根拠に申請を行い審査で決まることです。
この点で、誤解されている方が、「金融機関は冷た い。全く話にならない」と審査以前の入り口のところで止まっている方が意外に多いことです。

2つめの誤解は、「金融機関に聞いても詳しくは教えてくれない」です。
実は、金融機関は詳しく手続きについては教えてくれますが、その書類の中身までは指導してくれないということです。
考えてみれば当たり前のことで、金融機関が事業計画の中身そのものに口を出したら、審査ができなくなってしまうからです。
審査をする者が意見し、その結果、もし、万が一、融資に焦げ付きが発生した場合、誰が責任を取るのかと言った問題がある為、
金融機関は、事業者の行為詳細まで指導はできないことになっているのです。

3つめの誤解は、「事業者に代わり、金融機関と交渉してくれませんか?」と言う要望です。
この要望については、私は、交渉はもちろん、面談の席での同席も辞退させて頂いております。
理由は、「融資審査のポイント」で触れましたが、審査の大きなポイントは「事業者自身に対する評価」だからです。
「紙の書類はOK。さて、この書類は単なる作文ではなく、事業者の本心に基づくモノであり、本当にやる気と誠意を持って事業に当たる事業者かどうか?事業者自身の声で確かめたい」と、審査をするのです。

※なお、当行政書士事務所では、金融機関の直接の担当者ではな い方に、本件につき、一般論として審査に通りそうか、何が不足している等の、下打ち合わせや参考意見の聴取は積極的に行い、ご依頼先のお客様の事業計画書等の書類の作成の際のアドバイスに利用させて頂いておます。審査の席に原則同席しないのは、あくまで、審査結果がより有利な結果となることを願ってのことであることをぜひ理解して下さい。 

新規創業の融資に関する、ご質問、お問い合わせもお待ちしております。 

最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活が豊かなものとなりますことを祈っております。

-----------------------------------------------------------------
発行元  行政書士井藤事務所  井藤真生
事務所e-mail    gyosei@fullstage.jp
事務所HP  http://www.itoh.fullstage.biz/
〒471-0063  愛知県豊田市京町3−111−1
※ご意見・ご感想等は gyosei@fullstage.jp  まで、お気軽にお寄せください。
※また、井藤行政書士事務所では、起業、創業、会社設立、契約書や文書  作成に関するメールによる無料相談も行っています。

※ メールマガジン(会社設立、独立、起業、開業と新会社経営)購読の登録はこちらからどうぞ

メルマガ登録・解除
起業、開業、会社設立準備とビジネスモデル
読者登録規約
>> バックナンバー(オリジナル版)powered by まぐまぐ!
 
井藤行政書士事務所