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会社設立、独立、起業、開業と新会社経営
第14号(2009/01/16)
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こんにちは。行政書士の井藤です。
いつもメールマガジンを購読頂きましてありがとうございます。
今回より、メールマガジンのタイトルを変更させて頂きました。
旧タイトルは「起業、開業、会社設立準備とビジネスモデル」で したが、
今回から「会社設立、独立、起業、開業と新会社経営」 になりました。
ビジネスモデルを中心に起業や起業後の会社経営のいろいろについて取り上げて行くことには変わりませんが、
気分一新、より、有意義なコンテンツの配信に努めたいと思いますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。
◇第14号のメニューはこちらです
(1)100年に1度の変革期のビジネスモデルを考える
(2)機械開発ナビサイトのご案内
(3)編集後記
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(1)100年に1度の変革期のビジネスモデルを考える
■真の顧客ソリューションビジネスモデルの構築のために
前回、不況下における打開策として、
従来の、供給者ベースでの考え方を真に顧客ベースでの考え方へ転換する必要性について述べました。
供給者の都合で開発した過剰品質と言うべき豪華な商品の在庫を営業力強化で販売しよう。
あるいは、値下げ合戦で販売しよう。
とする大企業にありがちな戦略の真似を辞め、
我々中小企業は、 真に顧客のニーズを満たす、シンプルな商品を安く提供して、
適正な利益率を確保して行くことが大切であることを述べました。
このビジネスモデルを「シンプル顧客ソリューションモデル」と名付けることにしましょう。
■シンプル顧客ソリューションモデルが有効な理由
1)需要と供給のアンバランス
「非正規雇用工場労働者大量解雇」「工場のいっせい休業」のニュースは、生産能力>需要量のアンバランスを意味します。
あるいは、量販店の在庫の山と威勢のいい販売員の呼び込みに対 してまばらな顧客の様子を見ると、
流通在庫>需要量のアンバランスを実感することができます。
大量解雇された非正規雇用者の多くは、自動車や電気製品などの製造業で働く労働者ですが、彼らが自動車や最新式の電化製品を容易に買うことができないのに、一方で、山のような流通在庫が過剰に残っているのは皮肉なことですね。
また、日本で残飯などとして捨てられる食べ物は年間2000万トン、食料供給量の約1/4にもなるとのことです。
廃棄食料品の金額では、11兆円に上るともいわれており、その量は年々増えています。
(2002年ー農林水産省の資料より)
食料の供給量>需要量のアンバランスも明らかです。
にもかかわらず、国内で、十分、モノが食べられない程、困っている人のニュースを聞くのは、何か変ですね?
「何も欲しいモノはない」満ち足りた消費者も多いのかも知れませんが、一方で、欲しいモノはたくさんあるのだが、
モノの価格>経済力 で買えない消費者も多くいるのではないのででしょうか?
少なくともマクロ的に捉えると、「欲しい人がいるのに商品が余っているのは、
需要と供給のミスマッチ、価格と経済力の不一致が生じている」のではないかと思います。
従って、益々、値引き合戦が起きモノの価格は下がって行くことでしょう。
そうなると、企業や労働者の収入が減り、消費者の経済力 が下がるので、益々、供給者も受給者も貧しくなってしまいます。
(デフレスパイラル)
このような状況で、既存の商品やサービスの値下げではなく、平均的な経済力で購入ができるような、シンプル顧客ソリューションモデルの商品やサービスが供給できれば、需要と供給のアンバランスを埋めることが可能となります。
2)自分でできることはやっても良い
過剰に「便利な商品やサービス」の価格の一部は、時間を買うと言 った要素を含んでいます。
「面倒な○○を排除」「○○するだけ」 と言った商品やサービスのことです。
もちろん、それが素人では不可能なことを実現にするようなものであれば本当に価値があるかも しれませんが、
おせっかいで余分なあるいは無駄な機能や、サービスもたくさんあります。
自分でできることは自分でやるので、その為のサポートとなるような商品やサービスを求めている人も、きっと多いはずです。
3)もったいない精神
商品の過剰在庫、使わない機能、廃棄食品。
これらは、結局コストに含まれ消費者が負担しています。
そればかりか、限りある資源の無駄遣いはエコ時代に逆行します。
シンプル顧客ソリューションモデルは、顧客のニーズを過不足なく満たす、環境にも優しいビジネスモデルです。
■シンプル顧客ソリューションモデルの基本的な考え方
1)小回りのきく中小企業には有利
大きな組織、大がかりな設備を持つ大企業にとっては、既存の資産を活用しなければならない事情がある為、
ビジネスモデルの変更は容易ではないと思います。
また、会社の大小にかかわらず、大量生産によるスケールメリットにより、
利益を確保するビジネスモデルで事業を行って来た会社にとって、意識の転換が困難だと思われます。
同時に、親会社の具体的な指示に従うことのみが、顧客主義だと考え、
自ら主体的に考えて来なかった中小企業にとっても、意識の転換は難しいかも知れません。
2)大切なリスクマネジメント
顧客ソリューションモデルの典型的なパターンのひとつは、
「顧客にとってのリスクをプロである貴社に頼めば、顧客はリスクを回避または軽減することができる商品やサービス」です。
顧客にとって、軽減できるリスクが大きいほど、顧客にとってのその商品やサービスの価値は高くなりますので、貴社の利益も高くなります。
中小企業が、いかに、積極的に、適正にリスクを負って行くかが、このビジネスモデル成功の鍵となります。
もちろん、無謀に、チャレンジしていくことではありません。
どんなリスクがあるかを予測し、それを回避する為には、何をすべきかを考え、必要な手を打っていくことがプロの仕事です。
3)自らの専門分野にまず注目、必ずしもハイテクではない
これからは「環境ビジネスの時代だ」と、いきなり、新分野の環境改善装置の開発や環境改善機器の販売に乗り出すのは、
多くの会社にとってはリスクが大き過ぎると思われます。
それより、例えば、「環境」なら、貴社の業界で抱えている環境問題はありませんか?
?例えば、「中古品」や「リフォーム」「レンタル」 は多くの業界で活用可能な手法だと思われます。
ハイテクで一発ホームランを狙う前に、まず、自らの専門分野か、あるいはその近くの分野で、必要なニーズはないかを再検討する方が、
現実的で成功確率が高いのではないでしょうか?
(2)機械開発ナビサイトのご案内
この度、フルステージ株式会社では、「機械開発ナビ」サイトをリリースしました。
この「機械開発ナビ」サイトは、中小企業やベンチャー企業、研究者の方々等が、
自らの専門分野に関する機械開発や新製品開発のニーズがある際に、その開発を相談したり、発注したりするためのサイトです。
お客様の専門分野に関するニーズ × フルステージの機械開発技術
→ 共同開発、共同事業化を実現 します
「機械開発ナビ」サイトは顧客目線で、「機械開発」を取り上げたサイトです。
機械開発ナビのURLは、http://www.kikaikaihatu.jp/です。
(3)編集後記
今回は、「2009年100年に一度の変革期のビジネスモデルを考える」と題して、「シンプル顧客ソリューションモデル」を掘り下げてみました。
特に、後半部分で、「リスクを取ることが利益のチャンス」と述べましたが、リスクとは、将来何が起きるか分 からないことの不安です。
プロは、専門技術と経験でアマチュアのリスクを軽減することができます。
これらの仮説に対するご意見や反論等もぜひお寄せ下さい。
次回からは、「会社設立、独立、起業、開業と新会社経営」と言 ったテーマについて、また、皆さんといっしょに勉強して行きた いと思います。
最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活が豊かなものとなりますことを祈っております。
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発行元 行政書士井藤事務所 井藤真生
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