秘密保持誓約書とは? 当事者の片方が秘密を守る場合に有効。
秘密保持契約書と秘密保持誓約書は、どちらも、秘密保持に関する法的な約束書類です。
それでは、どんな時に、秘密保持誓約書でなく、秘密保持誓約書を作成するのでしょうか?
誓約書とは、一方が一方に対して法的な約束事をするものであり、義務を負う側が相手(秘密を持っている側)に、差し出すタイプの契約書です。(誓約書も契約書の一種と考えて良い。)
秘密保持の契約には、相手側の秘密を双方が守るタイプ(双務型)の場合と、専ら、一方の秘密を相手側が守るタイプ(片務型)の場合があります。後者の場合、秘密保持誓約書でなく、秘密保持誓約書を差し入れる方式を採用する場合があります。
秘密保持誓約書の利点としては、
・契約書のように双方の署名や押印が必要ありませんので、その作成が簡単なこと。
・取引の開始や入社の際などの一連の手続の一環として、規定の書類に署名、押印してもらうことで、秘密を守るという意識を高める効果が期待できること。
・
自らが作成し、差し出すタイプの場合は、差し出す側が内容条文を作成でき、原則とし、その作成の途中で、契約書の作成過程のように、相手の意向を聞くような必要はないので、差し出す側の意向の条文内容を盛り込みやすいこと。
等が考えられます。
なお、秘密保持誓約書を一部のみ作成した場合も、そのコピーを差し出した本人へも渡しておいた方が、秘密を保持するという目的の達成の為には、良いでしょう。
従業員用秘密保持誓約書の例
従業員による秘密保持体制を確立することは、秘密保持の目的達成の為には最も重要なことです。
以下は、従業員による秘密漏洩を防ぐ為の秘密保持誓約書の例ですが、
徹底するためには、秘密保持管理マニュアルを作成しその徹底を図ること。
さらに、従業員の退職時には、その秘密保持管理マニュアルに従い具体的に秘密情報の返却等
の作業をリストアップし、1項目ずつ確認をして行くことが大切です。
また、従業員の退職時に、再度、秘密保持誓約書を提出させることも良く行われております。
(例)
貴社に対し、下記事項を誓約し、これを遵守することを確認します。
■ 第1条
業務に直接または間接に用いられる各種マニュアル、製品図面、顧客名簿及び仕入先名簿
その他の書類に記載される情報であって秘密として管理される情報については、これを他に漏洩しません。
また、いかなる方法で開示を受けたかにかかわらず、秘密として管理される知識、ノウハウ及び
営業情報、技術情報、その他の情報に関しても同様に、これを他に漏洩しません。
■ 第2条
退職に際しては、上記第1項記載の各書類その他業務に関して交付を受けた各種記録その他の書類、
顧客先もしくは仕入先から交付を受けた各種書類及び業務に関して自ら作成した書類の一切を、
貴社に返還もしくは交付します。また、退職後も前条を守ります。
秘密保持に関するさらに詳しい情報
秘密保持契約と不正競争防止法の秘密管理に関するさらに詳しい情報です。
◆◆◆ 秘密保持契約書の作成
◆◆◆ 不正競争防止法 営業秘密について