契約書ひな形の活用の仕方
ひな形を活用して文書による契約を習慣化しよう
ネットを検索すれば、一般的な契約書のひな形を容易に入手することができます。
このようなひな形などを使っても良いので、日本のビジネスの場(特に中小企業)で、
もっともっと、交渉ごとを文書で行う習慣をつけることが、日常化すべきだと思います。
ここでは、あえて、「交渉ごとを文書で行う」と表現したのは、「契約書」と言う言葉を使うと、たちまち、構えてしまう方々多いからです。しかし、本当は、「契約書」を難しく考える必要はないと思います。
ビジネスの世界で、交渉ごとは日常業務であり、交渉ごととは、ビジネス上の約束=契約をすることであり、それを文書にしたのが契約書だからです。
「契約書を作って、ミスがあったら大変だ」と考える方も多いのですが、多少のミスがあったとしても、文書を作らず、口頭で契約をする場合のリスクに比べたらずっと”まし”なのです。
最も、契約書にした為に、「しなくても良い約束をしてしまった」では、本末転倒ですが・・・
契約書のひな形を使う場合に「自分の言いたいことを整理しよう」
契約書のひな形を使う場合に気をつけなければならないことは、ひな形の表現に無理に合わせた為に、かえって、何が言いたいのか、分からなく、なってしまっている場合が多いことです。
これは、ひな形を使ったから悪いのではなくて、まず、先に、自身の言いたいことを整理することが大切なのです。
相手と自分との関係を場合によっては図などで使って、整理して、決めなければならないことを明確にします。
決める内容を表現する方法として、ひな形を利用するのです。
ひな形を利用する際には、ひな形の文書の意味をよく理解して、自分の言いたいことと合っているのかをよくチェックしながらすることが大切です。 契約書のひな形を参照することで、「どんな事項を決めたら良いのか?」契約で交渉すべき事項を明確にすることができます。
契約書のひな形作成者の立場と自分自身の立場の違いに注意しよう
契約書のひな形を作成した人の立場が、今のあなたとどのように違うか?
に注意することはとても大切なことです。
例えば、売買契約書の場合では、売手の側の立場で作った契約書を買手であるあなたがそのまま使うといささか買手にとっては余分な条項が含まれていたり、逆に必要な条項が欠落していたりするので注意が必要です。
契約書のひな形を使うべきか否かその判断基準は?
契約書のひな形の多くは、想定される一般的なケースで使えるような、よく出来た内容になっているものが多いと思います。一方で、「一般的な内容」と言うことは「あまり個性のない内容」の契約書になっている契約書のひな形が多いと言えます。個性があるひな形では、実際にそのひな形を活用できる場面が極めて限られてしまうからです。
前述の通り、契約書を作成する場合には、自身の契約の目的を明らかにして、その目的を達成する為には、どんな契約にすれば良いのかの視点が大切です。 従って、今作ろうとしている契約書に関して、自社の目的や状況が、”世間によくあるケース、一般的な内容、普通のもの”であれば、ひな形を利用できる可能性は高いと言えます。
逆に、自社の目的や状況が、「今までにない、個性がある、特別なモノ」のようなケースでは、ひな形はけっして存在しないでしょう。 このようなオリジナリティが強い契約書の場合は、ひな形を大幅に修正する必要があり、まさしく修正部分が個性となることでしょう。
例えば、新しいサービスに関する「規約」などは、自社の商品と言うべきサービス内容を顧客に表現する為の手段です。このような大切な契約文書は、ひな形にとらわれることなく、オリジナルでじっくり作るべきものだと思います。