会計的には、資産、負債は、原則として、取得したときの金額で計上します。
(但し、一部「時価会計」の制度が取り入れられ、取得価格から時価への修正を行う場合もあります)
この会計的に計上した金額のことを、帳簿価格(簿価)と言います。
「資産とは、将来利益をもたらす財産のことです。」「負債とは、マイナスの資産のことです。」
ここで、簿価が、資産や負債の価値を正しく評価しているかが問題となります。
実際の価値や将来の価値と簿価との差がある場合は、その差のことを「含み資産」とか「含み負債」とか言います。
例えば、帳簿上、土地や投資株式を取得価格で計上しているが、時価がそれより上がっている場合、その差額が含み資産となります。
また、帳簿には載っていない資産や負債のことを、「簿外資産」とか「簿外負債」とか言います。
例えば、減価償却を終了してしまった機械設備でまで収益を上げている場合、その機械装置は、資産ではあるが、簿価は0円であり、簿外資産であると言えます。
経営的に言えば、目に見えない資産、企業のブランドや、社会的信用、収益を産む企業風土、経営者や従業員の能力等は、典型的な簿外資産です。
現在では、帳簿資産よりむしろ、簿外資産の価値が重要な企業も増えて来ています。
含み資産や簿外資産を多く持っている企業が強い企業であり、反対に、含み負債や簿外負債を多く持っている企業が弱い企業です。
同時に、自らが、自社の「簿外負債」にならぬよう気をつけたいものですね?