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 「経営理念」について考える

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会社設立、独立、起業、開業と新会社経営
第27号
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こんにちは。行政書士の井藤です。 メールマガジンを御購読頂きましてありがとうございます。
当マガジンでは、「将来の独立、開業、起業を考えている方」、「既に起業準備に入っている方」、「起業後まだ日が浅い方」、「新規事業を考えている方」その他、「起業と経営に興味のお持ちの方」を対象に、起業や会社経営に役立つ、実践的情報を発信して行くことを目標としています。

今回は、「経営理念について考える」と題して、会社を設立および会社の運営に関して、「経営理念」の意義について考えてみたいと思います。

◇第27号のメニューはこちらです
(1)「経営理念」について考える
(2)編集後記

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(1)「経営理念について考える」

■経営理念とは

経営の教科書を読むと必ずと言って良いほど、「経営理念」と言う言葉が出て来ます。
この「経営理念」とはいったい何なのかを分かり易く説明したいと思います。
経営理念」とは、一言で言えば、「社長の事業への思い」です。
つまり、「なぜ、この事業をするのか。」「この事業を通じて、なにを実現しようとするのか」「自社の存在意義」を表します。

一方、社会から見れば、存在意義のある会社のみが、世の中に存在すべきであり、
成長して行くべきであり、事実、存在意義を失った会社は消えて行っています。


■経営理念と似た言葉について

「経営理念」と似た言葉に、「創業の精神」、「社是・社訓・家訓」、「企業理念」、「経営ビジョン」、「行動指針」などの言葉がありますが、
これらの言葉の意味を確認することで、「経営理念」意味をより明確にしたいと思います。

まず、「創業の精神」とは、まさしく今、起業をされる人にとっての「経営理念」と同意義と考えて良いでしょう。
「経営理念」は、会社や事業の歴史の中で、外部環境や内部環境の変化に伴い、良い方向に変えて行く必要があるかも知れません。
しかしながら、変えてはいけないこともあると思います。 それが、大切にしなければならない「創業の精神」です。

「社是・社訓・家訓」も、「創業の精神」と同じような意味で、先代から代々受け継がれるべき精神のことを言います。
とりわけ、経営者の行動や考え方に関する戒め的な側面が強いと言えるでしょう。

「企業理念」の意味は、「経営理念」とほぼ同じと考えて良いでしょう。
但し、一般に、「経営理念」と言うと、ひとつの経営に対するトップの思いとの色彩が強いのに対して、「企業理念」と言うと、複数の経営を含む「組織体」(法人や法人グループと言っても良いかも知れません)の存在意義を表すと言われます。
従って、会社はまず、トップの思い「経営理念」の実現を目指し、その成長の過程で、組織体としての「企業理念」に進化して行くべきかも知れません。但し、「経営理念」と「企業理念」の言葉の使い分けには、明確な違いがある訳ではありませんので、最初から、組織として会社面を強調したいのであれば、「経営理念」に代え、会社の大小に関係なく「企業理念」と言う言葉を使っても良いでしょう。

「経営ビジョン」は、「経営理念」をより具体化したもの。 あるいはある時点での到達目標と言っても良いかも知れません。
例えば、「顧客の繁栄と社会の発展に貢献する」経営理念に対して、「10年後や20年後、当社がどのような位置を占めているか」等の、将来の自社のあるべき姿を表すものです。従って、「経営理念」の実現の為には、「経営ビジョン」を示し、さらに、その「経営ビジョン」に従って、「事業計画」に落とし込み日常の行動レベルまで、具体化して行くことが大切と言われています。

また、「行動指針」とは、「経営理念」の中でも、とりわけ社員の行動規範のような部分を表現したものです。


■起業の際に経営理念を考えることの意義
ここまで、「経営理念」について、説明をして来ましたが、
なるほど、「経営理念」の意義は分かった、 企業が継続的に存在するためには「経営理念」や「企業理念」が必要とのことですね。
しかし、「私が起業したいのは、そんな大それたものではなく、普通の○○業です。」
あるいは、「最初から、そんな難しいことを考えるより、いかに利益を得るかを考える方が先ではないでしょうか?」
そんな考え方もあるでしょう。 事実、私も昔はそうではないかと、本心では思っていました。

しかし、今の時代は違います。
昔は、特に「経営理念」など持たなくとも、誰かの真似をしていればある程度の企業は存在できたのです。
つまり、誰かを真似る、2番手商法、3番手商法、4番手商法等に徹していても、その業界が盛況であれば、それこそ、猫の手も借りたい業界であれば、仕事を得ることができたのです。 店舗でも同じです。身近なところに店舗がない時代、あるいは今のように情報や運送手段が進歩していない時代は、とにかく、それなりの店があれば、それなりに存在できました。特色などない「普通」であれば、ある程度商売ができたのです。

しかし、今の時代は違います。
全体的にモノはあふれ、情報はあふれています。大抵なモノは簡単に手に入る時代になりました。
こんな時代に企業が「存在」する為には、「存在意義」が問われているのです。
「なぜ、あえて、今、当社が必要なのか?」を宣言できない企業は、存在できない時代になって来ているのです。


■経営理念の実現の為に大切なこと

では、「経営理念」があれば、会社は実現できるのか?
当然、そんな訳はあり得ません。
「経営理念」が、社会の要請にマッチしたものであり、かつ、その実現に向かっているかが大切です。
その為には、「経営理念」実現の為の具体的方法を絶えず考えて実行して行くことが重要です。
現実には、日常の中に埋没しそうになるかもしれませんが、そうならない為に、「経営理念」に思いを戻すことも意義があります。



(2)編集後記

今回は、「経営理念」と言う、実務からすると、少し遠い感じのする言葉を取り上げてみました。
本文中にも書きましたが、「理念なき経営では生き残れない時代」です。
厳しい時代のようですが、言い換えれば、「各社がいかにユニークさを競う時代」になったと言うこともできると思います。
最近の国際経済競争の中で日本の大企業が苦戦しているのも、こんなところの影響もあるかもしれません?
確かに「経営理念」の重要性は分かっても、実際、自らの「経営理念」を明確化することは簡単ではないかも知れません。
そんなときは、最初からうまく表現できなくても良いと思います。
「こんなふうな方向」等と、ぼんやりでも良いので、継続的に、意識していることが大切ではないかと思います。

最後になりましたが、皆様の、ビジネス、健康、生活が豊かなものとなりますことを祈っております。

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発行元  行政書士井藤事務所  井藤真生
事務所e-mail    gyosei@fullstage.jp
事務所HP  http://www.itoh.fullstage.biz/
〒471-0063  愛知県豊田市京町3−111−1
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