著作権契約書の作成

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著作権とは

著作権とは、著作物の作者に発生する権利で、知的財産権のひとつと言われています。
著作物とは「思想又は感情創作的表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」とされています。具体的には、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラム等で作者の思想又は感情を「創作的」に「表現」したものを言います。
(なお、「創作的」な「アイデア」そのものは特許や意匠などに属し、著作には含みませんが、アイデアを「表現」したものは著作物です)

著作権とは複数の権利の総称

著作権は大きく分けて、「著作者の権利」と「実演家等の権利」の2つがあります。
(「実演家等の権利」は「著作隣接権」とも言われます。)

「著作者の権利」には、「著作者人格権」と「(財産権としての)著作権」があります。
「著作者人格権」には、「公表権」、「著作者人格権氏名表示権」、「同一性保持権」があります。
「(財産権としての)著作権」には、「複製権」「上演権・演奏権」「上映権」「公衆送信権」「貸与権」「頒布権」「二次的著作物の創作権」「二次的著作物の利用権」「公の伝達権」「口述権」「展示権」「譲渡権」等があります。

「著作権(財産権)」の保護期間は、 原則として,創作のときから著作者の死後50年間まで(例外として,無名・変名の著作物及び団体名義の著作物については公表後50年。映画の著作物については公表後70年)と決められています。

「実演家等の権利」「著作隣接権」には、「実演家人格権」と「(財産権としての)著作隣接権」があります。
「実演家人格権」には、「氏名表示権」「同一性保持権」があり、
「(財産権としての)著作隣接権」には、「録音権・録画権」「放送権,有線放送権」「送信可能化権」「譲渡権」「貸与権(レコード発売後1年間))などの「許諾権」や「報酬請求権」があります。

著作権は誰のもの?

著作権は著作者に発生する権利です。
著作者とは「著作物を創作する人」のことであるため,著作物の創作を他人や他社に委託(発注)した場合は,料金を支払ったかどうか等にかかわりなく,実際に著作物を創作した「受注者側」が著作者となります。
このため、発注者側が納品後にその著作物を利用(例:自社のコピー機による増刷やホームページなどで公開など)するためには、そのための契約をあらかじめ交わしておくことが必要になりますので、注意を要します。

職務上の著作は原則会社のものとなります

会社のような法人(法人格は不要です)の業務に従事する者が職務上で著作物を創作した場合、当該法人が著作者となります。これを職務著作といいます。(なお、契約や就業規則等に別段の定めをすることは可能です。 )

著作権契約書とは

著作権契約書とは、多くの場合「著作権譲渡契約書」と「○○利用許諾契約書」の2種類の契約書を言います。
これらの契約書は、「著作権契約書」「著作権譲渡契約書」のような名称で単独の契約書として作成する場合と「講演依頼契約書」「出版契約書」「ホームページ作成依頼契約書」「ソフトウェア使用許諾契約書」のように、業務の依頼等の契約書を構成する一部の条項として作成する場合があります。
著作権契約書を単独の契約書として作成する場合及び他の名称の契約書の一部を構成する条項として作成する場合の何れの場合においても、「どのような著作物の、どのような著作権が、どのような条件で、誰が、利用可能なのか、とそれに対する対価や、保証に関する取り決め」を契約書で明確にすることが大切です。

1)著作権譲渡契約書

著作権譲渡契約書とは、著作権を譲渡する契約書です。譲渡と言うと所有権の譲渡のように完全にAからBへ全ての権利が移るイメージがありますが、譲渡する著作権の範囲を定めたり期限などを定めて部分的に譲渡したり他者と共有にしたりすることも可能です。
著作権を全部譲渡する場合は、一括買取形式で決済する場合が一般的ですが、部分譲渡の場合は、利用割合に応じて利用料を徴収する形式(印税方式)で決済することも多くあります。

著作権譲渡契約書の記載例)
甲は乙に対して、甲の以下の著作物に関する全ての著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)を譲渡する。

※著作権法第27条及び第28条に規定とは、翻訳権、翻案権等(第27条)及び二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(第28条)を言い、単に全ての著作権と言った場合には含まれませんので、上記のように()で付記します。

2)利用許諾契約書(○○利用許諾契約書、○○使用許諾契約書など)

利用許諾契約書(または使用許諾契約書)とは、著作権そのものの移動は伴わず、その著作物を利用する権利を付与する契約です。「どのような条件で、どのような利用権を付与するか」を契約により詳細に定める必要があります。
また、著作物の改変の可否や二次利用の可否なども重要なポイントです。利用権付与の対価としては、一定価格で権利を買う方式、利用期間に応じて利用料を払う方式や、利用割合に応じて利用料を徴収する形式(印税方式)で決済することもあります。

(「著作権譲渡契約書記載の例」)
甲は乙に対し、本著作物につき、別紙記載の条件に基づく利用を許諾する。
※別紙にて、利用許諾の範囲を詳細に決めます

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