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(1)建設業法が適用される取引には、下請法は適用されません。

下請取引の保護について、
建設業以外の取引では、独占禁止法+下請法(下請代金支払遅延等防止法)が適用されます。一方、建設業においては、独占禁止法と建設業法が適用され、下請法は適用されません。これは、建設業法の中で独占禁止法の趣旨に沿った下請取引に関する独自の規定がなされている為です。事業者が、建設業と建設業でない事業を行っている場合、取引ごとに、下請法または建設業法が適用することになりますので注意が必要です。

(2)下請法と建設業法上の下請取引に関する規定の違い

建設業における言葉の定義
建設業法では、以下のように定義されています。
(第2条)
「下請契約」=建設工事を他の者から請け負った建設業を営む者と他の建設業を営む者との間で当該建設工事の全部又は一部について締結される請負契約をいう。
「発注者」=建設工事(他の者から請け負ったものを除く。)の注文者。
「元請負人」=下請契約における注文者で建設業者であるもの。
「下請負人」=下請契約における請負人。

建設業法における契約に関する規定
建設業法「第三章 建設工事の請負契約、第一節 通則(第18条~第24条)」では、
注文者と請負人との間の契約に関する規定として、元契約と下請契約の区別なく適用されます。

→→→ 建設業の契約に関する詳細はこちらを参照ください。

建設業法における下請契約に関する規定
建設業法「第三章 建設工事の請負契約、第二節 元請負人の義務(第24条の2~第24条の7)」では、上記に加え、特に、「下請契約」に適用します。

上記のように、建設業法では、
・まず、発注者と請負人との契約の内容を規定し、
・元請負人と下請負人との契約関係は基本的に発注者と請負人との契約の内容を踏襲することを前提としており、
・さらに、下請契約にのみ該当する規定があります。

対して、下請法では、あくまで、親事業者と下請事業者間の契約を規定しています。
また、下請法の「親事業者」「下請事業者」の概念は、建設業法の「元請負人」「下請負人」の概念より広く、請負契約の委託者と受託者の範囲を含んでいるのが特徴です。

(3)建設業法における下請契約に関する規定の実際

建設業法では、下請法の適用がなく、下請契約における独自の規定が設けられています。

見積条件の提示(第20条3)
建設工事の注文者は、19条第1項第1号及び第3号から第14号までに掲げる事項について、できる限り具体的な内容を提示し、かつ、当該提示から当該契約の締結又は入札までに、建設業者が当該建設工事の見積りをするために、必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。
※建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間

  工事予定金額(工事1件につき) 見積期間
500万円未満 1日以上
500万円以上5000万円未満 10日以上
5000万円以上 15日以上

 

不当に低い請負代金の禁止(第19条の3

不当な使用資材等の購入強制の禁止(第19条の4)

発注者に対する勧告(第19条の5)
建設業者と請負契約を締結した発注者が前2条の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。

下請代金の支払(第24条の3)
元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となつた建設工事を施工した下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から一月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない

2 元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として、支払うよう適切な配慮をしなければならない。

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